こんにちは。小境 弓です。
今回は、「手すり」についてお届けします。
今のお住まいに、手すりは付いていますか?
若い方が新築を建てられる場合階段以外で、最初から手すりを付ける方は少ないのではないでしょうか?
病院や駅、デパートなど公共の場では当然のように付いている手すりですがそもそも何の為に付ける物か今一度考えてみましょう。
本人の筋力で支障なく自由に歩行できる方はまず利用されません。
手すりは、高齢者や様々な理由で体が不自由な方が歩行の補助や転倒防止、行動をスムーズに行う為の道具です。
筋力が低下してくると、ちょっとした事でふらついたり、踏ん張りが利かなくなってきます。
体重を支えたり、ぱっと掴む動作がしやすいように手すりの配置に注意が必要です。
横方向の移動には水平、上下方向の移動には垂直にあると良いでしょう。
端部は、袖口が引っ掛からない形状の金具にしましょう。
1. 歩行の補助としての手すり
廊下の壁際などに水平に付いていますが持ちやすく且つスムーズに手を滑らせ移動できるように、なめらかな形でなくてはなりません。
取付高さは、床から750~850ミリが一般的ですが意味もなくこの高さを決めてはダメです。
背の高さや腕の長さにより体重を支えやすい位置は変わるものなので
手すりを必要としている方に合わせなくては意味がありません。
ご夫婦で高さに差があるような場合二段の手すりという手もあります。
手すりが付けられない場合は、「歩行器」という選択肢もあります。
2. トイレの手すり
便座に座ったり立ったりという動作は普段何気にしているかと思いますが実は、非常に筋力がいる動作です。
また、高齢者のトイレでの転倒の原因はマットやスリッパなどでのつまずきの他
用を足す際のいきみで血圧が上昇しめまいを起こしてしまうという場合もあります。
L型や手すり代わりに手を置けるカウンターがあると良いでしょう。
垂直方向の手すりの位置は、便座から立上った際にも、体の前にくる位置が掴みやすいです。
便器の先端から200~300ミリの位置が目安になります。
新築の際、後から付けられるよう下地を入れておくと安心です。
3. 段差に付ける手すり
玄関の上り框などは一歩足を出す→片脚に体重をかける→残りの脚を引き寄せるという一連の流れを行います。
この時、膝に非常に負担がかかります。
段から降りた拍子に、膝が力を受けきれず転倒するという可能性もあります。
上る時と降りる時で、どちらの方向からでも体より前の位置に手すりがあるのが理想です。
段差が高い場合は、一旦上り框にお尻をついて立上る動作になりますので、座った状態で手すりに手が届かなくてはなりません。
もし、壁に手すりが取り付けられない状況でも上がり框に固定するタイプや据え置き式のタイプもあります。必要になった際に後から設置する事も可能です。
さて、今回は住まいの中の手すりをクローズアップしましたが、健康な状態で想像するのは難しい事です。
手すりを設置する時は
l 使用する本人に合わせる事
l 新築の際から考慮する事
l 専門家に相談する事
などを視野に入れておいてください。
なお、介護用の手すりを設置する場合条件に当てはまれば市から補助金が出る事があります。
細かな条件や申請の仕方は、お住まいの地域によって異なる場合があるので、まずは工事をする前に市役所にご相談ください。
はじめまして。小境弓です。
私は、環境アレルギーアドバイザーですが、普段は木造住宅の設計や収納・インテリアのアドバイザーをしています。
「住まい」に関する情報をお届けして、誰かの参考になればと思います。
初回は…
いきなりですが「引出しの持ち手」のお話から始めます。
持ち手ってわかりますか?
引出しや扉についているアレです。
取っ手やツマミなどいろんな形があります。
普段は意識しませんが、お家の中に結構ある筈です。
1、取っ手
いろんな形状があって、素材もプラスチック、ステンレス、アイアン、木など。
穴が開いている物もありますが、手を入れるというよりつまんで引っ張る動作になると思います。
2、ツマミ
こちらも、取っ手同様に色々な形状・素材があります。
ツマミの大きさによりつまむ、もしくは掴んで引っ張る動作になります。
3、手かけ
こちらは、さっきの二種類とは違い出っ張りがありません。
手を隙間に差し込んで、引出しを引くという動作になります。
どれが好みですか?
デザイン的に人気なのは、「手かけ」です。
スッキリしていて飽きがこないからです。
家具は、機能性よりデザインを重視される方も多いと思います。
では、あなたは歳を重ねて80歳になりました。
どれを選びますか?
この3つの中で、一番向いているのは…
ツマミ、それも程よく握れる力の入れやすい大きさのツマミです。
歳を取ると、指先の感覚が鈍り力も弱ります。
小さなものをつまむ・隙間に手を入れ力を入れるというのが、やりづらくなるのです。
購入する際に「何を優先したいのか」は
使用する側の健康状態によっても変わるという事です。
ただ、家具は買い替える事もできます。
一生モノの住まいでは、どうでしょうか?
歳を重ねた時の自分は想像しづらいですが、体力も落ち今ほど身軽でもありません。
「こんな段差で転ぶなんて、若い時は考えもしなかった」と
母が時々つぶやいています…。
住まいを考える時、デザインや間取りなどと共に「体が不自由になった時」という視点でも、考えてみると良いですよ。
小境 弓
一級建築士事務所 木ぐみ舎
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